サイディングの外壁に見られる浮きや反り。
これらは家屋所有者にとって重要な関心事です。
特に、自宅の外壁維持に熱心な方にとって、この問題はただの美観の問題ではありません。
サイディングの浮きや反りは、住まいの健全性を損なう恐れがあり、その原因と対策を知ることは重要です。
この記事では、サイディングの浮き・反りが発生する原因と、それらを防ぐための予防策、さらには発生した際の効果的な補修方法について解説します。

□サイディングの浮き・反りの原因とその予防

サイディングの浮きや反りが生じる主な原因には、以下があります。

＊防水性の低下による吸水

サイディングが吸水し、膨張することが反り・浮きの一因です。
特に、窯業系サイディングに用いられるセメント材料は吸水性が高い傾向にあります。
外壁表面の塗装が弱まると、サイディングは雨水や湿気を吸収し、膨れ上がることになります。

＊コーキングの劣化

サイディングボード同士の目地はコーキングで埋められていますが、これが劣化すると、雨水や湿気が侵入しやすくなります。
これによってボードが吸水し、膨張と収縮を繰り返すことで、反りや浮きが発生します。

予防策としては、定期的な塗り替えやコーキングのメンテナンスが有効です。
塗装によって外壁の防水性を維持し、コーキングの劣化を防ぐことで、浮きや反りを未然に防げます。

□サイディングの浮き・反りの補修方法とその費用

サイディングの浮き・反りを効果的に補修する方法は大きく分けて2つあります。
補修方法はサイディングの劣化の程度によって異なります。
それぞれの方法の特徴と費用相場を詳しく見ていきましょう。

1:ビス打ち
この方法は軽度の浮き・反りに適しています。
例えば、端がわずかに浮いている、または指で押した時に元に戻る程度の軽い浮き・反りの場合です。
ビス打ちは、電動ドライバーを使用してビスを打ち込み、サイディングを物理的に固定する方法です。
この方法のメリットは、比較的低コストであり、作業も迅速に行えることです。
ビス打ちの費用相場は、おおむね1～2万円とされていますが、作業の範囲や条件によって異なる場合があります。

2:部分張り替え
浮き・反りが重度の場合には、部分張り替えが必要になります。
例えば、反り返しが大きく、指で押しても元に戻らないような状態の場合です。
この方法では、損傷したサイディングボードを剥がし、新しい外壁材に張り替えます。
部分張り替えの場合、特に高所での作業が伴う場合は、足場の設置が必要になることもあります。

そのため、費用はビス打ちよりも高くなる傾向にあります。
部分張り替えの費用相場は、1枚あたり5〜10万円程度ですが、作業の難易度や足場の必要性によってはこれ以上のコストがかかる可能性もあります。
また、築年数が長い建物では、同じデザインのサイディングが既に生産終了している場合があるため、類似のデザインに張り替えることになる可能性も考慮する必要があります。

□まとめ

サイディングの浮きや反りは、外壁の健全性に関わる重要な問題です。
主な原因は防水性の低下による吸水と、コーキングの劣化による水分侵入です。
これらを未然に防ぐためには、定期的な塗り替えやコーキングのメンテナンスが重要です。